多くの企業は何度も面接を行い、数多くの候補者から優秀だと判断して選ばれた新入社員がいます。
しかし、時には上司や先輩が悩むこともあるのです。
現代では個人の尊重が重要視される時代であるにもかかわらず、組織としては難しい問題です。
若手には、男女を問わず社会人生活に対して「仕事よりも恋愛を優先する」と考える人も多く存在します。
今回は、大手企業に就職したものの、彼氏の転職に合わせて突然退職した新入社員のエピソードを紹介します。
都内の大手メーカーで働くA子さん(30代)が、新入社員のS(女性)についてこんな話をします。
彼女はもともと大学院への進学を希望していたようですが、それが叶わなかったようで、結局我々の会社に『仕方なく入社した』と言っていました。
A子さんが働く会社は採用倍率が高いため、Sのような新入社員は珍しいケースだったそうです。
A子さんはSの担当になりました。
Sは、見た目は派手ではなく爽やかな印象で、真剣に業務に取り組んでいました。ただし、業務だけでなく、初めての上京や社会人生活に慣れるためにも、私は彼女をサポートする役割がありました。
そのため、プライベートの話もすることがありましたが…
実際に聞いてみると、Sの外見からは想像もつかないほど積極的な恋愛ぶりに驚いたとのことです。
彼女は通っていた大学の先生がとても好きで、遠距離関係ではありますが懸命にアプローチしているそうです。しかし、その先生にはすでに婚約者がいるというのです。「絶対に結婚してほしくない!」と言っています。
そして、その情熱が伝わったのか、略奪愛を成功させたと言われています。とのことです。
会社の忙しい時期であっても関係ありません!
Sは、彼氏のために転職活動を行うことになった
A子さんは最初「他人の恋愛にとやかく言うつもりはない」という程度で考えていました。
しかし、Sの問題はここから始まります。
彼の遠距離関係に悩んでいたといいます。
Sの彼氏が関西に転職を考えているようで、彼が採用されてしまうと会える機会が減ってしまうことを心配していたそうです。
そんな中、彼の転職が決まりました。
すると、Sの働き方が徐々に変わり、モチベーションが明らかに低下していました。
実は、Sも彼氏と同じ職場で働けるように、こっそりと転職活動を始めていたようです。
そして、年末に事件が起きました。
私が所属するチームは、四半期ごとに繁忙期があります。大規模な会議が行われ、前日の夜は終電かタクシーでの帰宅が当たり前でした。準備の1週間は、みんながボロボロになりながら働くのが通例でした
A子さんは、いつものように眠気と空腹に耐えながら業務をしていると、突然、Sから衝撃的な発言が出ました。
無表情で『彼と同じ職場に転職できることになったので会社を辞めます』と言われました。
さらに、『正月明けから勤務しなければならないので年内に退職します』と続けました。
時は12月下旬。
しかも、Sの希望する退職日まで、たった10日しかありませんでした。
すでに疲れ果てていたA子さんは閉口したとのことです。
冷たい態度で「法律的には問題ありません」と説明されました。
多くの会社の就業規則では、退職する場合は1か月以上前に申告するなどのルールが定められているでしょう。
富田さんの会社でも同様のことが明記されていたため、彼女の行動は身勝手だと思われました。
私は、急いで『あと2週間しかないけれども、部長には伝えたのですか?』と確認しました。
すると、棒読みで『はい。法律的には問題ありませんので』と冷たい態度で驚かされました。
こうしてSは退職していったようです。
A子さんは教育担当として多くの時間を費やしてきたため、恋愛を理由に彼女が1年未満で辞めてしまったことに対して、辛い気持ちになりました。
Sはその後、どうなったのかはわかりません。
以前、私たちは年賀状を交換している際に、ある先輩が言ったことがありました。その時、『Sちゃん、結婚したんだって』と述べていたので、おそらくその年に結婚したのは彼だと思われます。
先輩はもちろん、部長やチームの他のメンバーも、Sが退職した真の理由を全く知りません。