まず、4ステップで問題が整理できない場合や転職の目的が見えない場合は、今後のキャリアについてもっと考えてから転職を検討した方が良いかもしれません。
ひとつめの特徴は、何をしたいのかがわからない人です。具体的に言えば、次の2パターンが考えられます。
一つ目は、現状に不満や不安があるために転職を希望している場合です。
しかし、不満や不安だけが先行しており、「何をしたいのか」「何を重視したいのか」といった部分が曖昧なまま転職活動を行っても、企業から評価されにくく、採用まで至るのは難しいでしょう。まずは自分の転職理由や転職の基準を整理し、キャリアプランを描くことが重要です。
ふたつ目は、純粋に「今よりも自分に合った仕事をしたい」と思っているが、具体的に何が自分に合っているのかがわからない場合です。このまま転職活動を進めると、途中で行き詰まってしまう可能性があります。
そこで、まずはこれまでのキャリアを振り返り、自分の強みややりがいを感じた瞬間について深く探求し、進みたい方向性を明確にすることがおすすめです。
もう一つの特徴は、何かしたいと思っているが勇気が出せない人です。
例えば、「データ分析に携わりたい」「販促の仕事がしたい」といった漠然としたイメージがあるが、「経験がないため自信がない」「自分が本当にやりたいと言っていいのか分からない」という状況です。自分の本心と向き合わなければ、満足できる転職は実現できません。
やりたいことに勇気が出せない原因は、単純に知識不足かもしれません。まずは転職エージェントや転職サイト、転職フェア、セミナー、同じ分野で働く知人など、さまざまな情報源から希望の業界や職種について情報収集をすることが重要です。
以上が、「今すぐ転職しない方がいい人」の特徴になります。
その後、その業界や職種を目指すのか、または現在の仕事でできることを見つけるのかを考えることは遅すぎることではありません。
周囲の転職経験に影響を受けている人もいます。
例えば、「友人が転職して給料が上がった」とか「有名企業に就職した人の成功談を聞いて刺激を受けた」といった理由から、自分自身が「転職する目的」を明確に持っていない場合でも、すぐに転職しないほうが良い可能性があります。
転職する目的は志望動機に関連しており、面接で明確な志望動機を語ることができないと、面接の回答に一貫性がなくなってしまいます。このような場合、企業からは「志望度が低い」「説得力がない」と判断され、苦戦する可能性が高いので、まずは自分の目的を明確にすることが重要です。
「転職したいけれどスキルがない」ということが不安だと感じる人もいます。
同僚が成果を挙げたり、希望の業界で活躍する人の経歴を見て、「自分には転職に必要なスキルが不足しているのではないか」という不安が生じるケースです。
企業の求人募集要件を完全に満たしていない、特筆すべき資格がない、現在の仕事で大きな実績を残していないなどの理由により、自信を持てない人もいるでしょう。
スキルは転職において重要ですが、それだけでは転職は成功しません。
高度なスキルを持っている人でも、企業の社風と合わない場合には採用されないことがあるし、スキルよりもポテンシャルや意欲を重視する企業も存在します。
したがって、「転職においてスキルだけが全てではない」という考え方に切り替えましょう。
また、自分にはスキルがないと思い込んでいる人でも、これまでの仕事で培ってきた何らかの強みが必ず存在し、それを評価してくれる企業もあるはずです。
転職活動では、自分が既に持っているスキルを見つけて整理することが重要です。
自分自身では見つけることができない場合は、転職エージェントに相談することもオススメです。
「現在のキャリアや職場環境を失うこと」が心配な人は、自分が築き上げてきたキャリアや人間関係、慣れ親しんだ仕事や職場環境を失ってしまうことに不安を感じています。
そのため、安定を失うことに不安を抱き、「新しい仕事内容や人間関係に適応できるか」「収入や待遇が下がってしまうのではないか」といったことを心配しています。実際に転職活動を始める前から、転職後のことを考えてしまう人も多いです。
このような不安を解消するためには、転職活動に関する情報を集めることが重要です。収入や待遇に関して心配なら、求人情報を調べることで大体の目安がつかめます。
また、同じような条件で転職した人たちの成功や失敗の事例を調べてみると、自分に当てはめて考えやすくなります。自分の理想の転職先を明確にすることで、不安を取り除くことができます。
「転職先が見つからないかもしれないこと」が不安な人もいます。
転職活動をする過程で、希望する転職先が見つからずに職を失うことに対して不安を感じています。「
すぐに転職先が見つからず、一時的に無職になることになったらどうしよう」と心配している人もいますし、「希望通りの転職ができなかった場合、自分の存在価値が薄れるのではないか」と不安に思っている人もいます。
こうした不安を解消するためには、転職活動は転職しなければならないというものではないことを理解することが重要です。実際には、現職を辞めずに転職活動をする人も多くいます。
転職活動を通じて自分のキャリアの方向性を見つけたり、現職の魅力を再発見することもあります。
必ずしも転職先を見つける必要はなく、「まずは行動を起こしてみて、魅力的な企業が見つかったら転職を検討する」という考え方に切り替えると良いでしょう。
「転職先がもっと悪い環境かもしれないこと」が不安な人もいます。
転職先の労働環境や人間関係がブラックである可能性などを考え、不安を抱えています。
また、「転職しても、同じようなことの繰り返しになるのではないか」「先々の将来は、転職を繰り返すことになるのではないか」と考え、自分の将来に漠然と不安を感じている可能性があります。
不安解消の方法としては、多くの場合、現職での不満や不適応感から転職を考えることがあります。
しかし、漠然とした不安を解消するには、「なぜ転職するのか」という目的を持つことが重要です。明確な目的を持つことで、転職後に新たな環境に適応する際にも乗り越えることができます。
ただし、不満だけを理由に転職すると、また同じような不満を抱える可能性があるため、将来のためにも明確な目的を持つことが必要です。
転職に踏み切れない人の中には、「漠然とした不安から行動に移せず、時間だけが過ぎてしまう」というケースがよく見られます。そして、後悔する人もいます。
「もしもあの時に行動していたら、キャリアチェンジやキャリアアップができたのに」と後悔することがあります。そのため、転職のタイミングを逃すことにはリスクが存在します。
また、年齢が上がるほど、求められる経験やスキルの基準も高まることを忘れてはいけません。
企業から求められる経験値やスキルは、自分の年齢に比例して高まるものです。若手の場合は、ポテンシャル採用が行われることもありますが、基本的には経験年数に応じた能力が期待されると考えられます。
特に、未経験の業界や職種を目指す場合、年齢を重ねるほどハードルが上がると考えるべきです。
経済や社会の状況が変化すると、採用の条件や難易度も変動する。経済の好調や不況によって求人状況が大きく変わることがあります。
例えば、リーマンショックや東日本大震災、新型コロナウイルスの流行などは、求人の数や有効求人倍率に大きな影響を与えました。もしも転職を考えている時に経済不況に巻き込まれてしまっても、事前の準備を進めておけば、適切なタイミングで転職活動を開始することができるでしょう。
また、転職を迷っている間に異動や転勤を命じられる場合もありますし、長期的なプロジェクトや昇進も待ち受けているかもしれません。
結婚や出産などのライフイベントによっても、生活環境は変化することがあります。
こうした場合、転職活動自体が困難になる可能性もあります。
ですから、転職に迷っている時は、まず転職活動を始めることをお勧めします。転職活動を始めることで、不安や迷いが解消されることがあります。
また、転職活動を進めることによって、自分の現状や立ち位置を客観的に把握することができます。転職サイトや転職エージェントを活用し、自分の経験やスキルを整理して、職務経歴書を作成することも重要です。
これにより、転職すべきなのか、しないべきなのかを現実的に判断することができます。不用意な転職で失敗するリスクも回避できます。さらに、転職活動は自身のキャリアや人生を見つめ直し、新たな可能性を見つける絶好の機会でもあります。